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高千穂の神楽と天岩戸

こんにちは、中国山地のとある山里出身の佐々智美です。

今回の来日では、葉山・淡路・屋久島・沖縄のほか、日本各地を訪れてお祈りさせていただく機会があります。九州地方では、屋久島のワークショップの後に高千穂を訪問する予定となっています。

高千穂では、昔から伝統的に続いてきた「神楽」があります。そして私の故郷にも、「備中神楽」とよばれる神楽が、民衆の信仰と楽しみとして根付いています。

仮面を被り、ストーリーに基づいて踊る神楽。私は今年3月にホピを訪れ、初めてホピの広場で行なわれたカチーナダンスを見たとき、故郷で広く親しまれている備中神楽のことを懐かしく思い出し、ぜひこの日本の文化をルービンに紹介したいと思いました。今回は、神楽の館という宿で、囲炉裏端でお食事を取った後に、神楽を見せていただく予定です。

高千穂という地は、種田山頭火が、「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ、その深い山と深い渓谷のなかにあります。

ホピや先住民族の文化に触れると、日本の山の民の文化と、近いものを感じることがよくあります。宮沢賢治の物語にもよく登場する、山の民は、日本の先住民族の生活文化や信仰を受け継いでいるという説もあります。

私も中国山地の名もない美しい山々に抱かれて育ってきました。古来からの伝統という形で残っているものは少ないにしろ、山やそこに住んでいる生き物(人間も含めて)が教えてくれることや伝わってくるものは、感覚として自分の中に残っているような気が、強くしています。山に愛されて育ってきたのだという感覚があります。

私はまだ高千穂に行ったことはありませんが、おそらく、この山深い地にも、山の民の叡智があり、人々と自然との結びつきが、色々な有り様で残っているのではないかと思います。



高千穂には、天の岩戸と鬼八伝説というふたつの神話が伝わっています。

山と鬼は関係が深く、日本各地の山に鬼の伝説が残っているようです。現に私の故郷の民謡にも、「ここは鬼の降るお里」という一節があります。

一説には、鬼が日本の先住民だったという話を聞いたことがあるので、ホピと日本の文化交流の一環として、そうした言い伝えや文化に触れられればと考えています。

日本神話に登場する天岩戸開きの舞台となった「天岩戸」として、洞窟そのものをご神体としているのが天岩戸神社で、私達はその近くに滞在し、岩戸という題名の神楽を見させて頂くことになっています。

私達夫婦は3月にホピから帰国し、アナンダラバ(ホピ語で心を開く)のプロジェクトの実現に向けて動き出したとき、何度も拝見しているはずの比嘉さんのHPに「心開き」という言葉があることに気づき、驚いたのを覚えています。

それは琉球民族の叡智を引き継いでいる沖縄のシャーマンの願いと、ホピの生き方を願うルービンが、重なった瞬間でもありました。この事を、比嘉良丸さんに聞いてみた事があります。渡来人が、先住民と混血しながら、天孫降臨の神話を現代の日本に残したとされていますが、印象的だったのは、先住民の血を色濃く残す琉球民族のシャーマンが、天の岩戸開きに関して、こんなお話をしてくださったことです。

「第一の天の岩戸開きはご存知の通りです。第二の岩戸開きは、琉球まで逃れきた私達の先祖が、沖縄の地にて行いました。そして、第三の岩戸開きは、私達が心を開くことによって実現されると言われています。私達琉球民族の先祖は、もともと、本土と関わりが深かった民族です。」

「心を開くというのは、家族を大切にしたいという気持ちを純粋に思うことです。ただ、私達の考え方では、人々の心を開くのは女性であるという事が伝えられていますので、妻を含め、多くの女性がその役割を果たすことになるでしょう。」

この話しを理解できているかどうか分かりませんが、人々が根源的な事実に基づいて、私には天孫降臨の神話の成り立ちと、その影に隠れている先住民達が守ってきた自然信仰の部分と、またお互いが生き残るため、現実的にどう融合してきたのかを真剣に向き合わなければ、日本人の心開きは、大変難しいものになるのではないかと、比嘉さんのお話をお聞きしながら直感しました。

日本人は、渡来人と先住民が混血しながら辿った歴史があり、今もなおそれぞれの価値感の中で「和」という生き方を大切にしています。一方、ホピでは分裂の歴史を繰り返し、彼らは「ホピ」という生き方を大切にしています。

そして、現代、お互いの文化が様々なシーンで交流しようとしていて、一人のホピ族と一人の沖縄のシャーマンが、事前に打ち合わせが全くなかったのにも関わらず「心を開いて素直になる生き方」というキーワードで、現代の私達に問いかけています。

高千穂という場所は、まさに日本が辿ってきた歴史を象徴する場所ではないかと感じ、主人と話し合って、ここにルービンとジョーダンを案内し、私が考える鍵となる「踊り」を通じて、お互い意見交換をし、私達がその目撃者となって、皆様にお伝えすることができればと想いました。

私達夫婦のこのような考え方に賛同を頂いたかどうかわかりませんが、ガイドや神楽の手配などで、ご協力頂いています高千穂観光協会の皆様に、この場をお借りして、感謝を申し上げたいと思います。

高千穂のお祈り、そして地元の方と見る神楽、そしてできれば、ルービンからはホピの踊りを披露させていただき、ホピの方が何を感じたのか、そして現地の方がなにを感じたか、話して頂けるのか楽しみです。

ルービンは私達によくこう言います。

「私は伝統派でも、中間派でも、先進派でもない。私達は皆傷つきましたが、それを大切な人にしゃべり、語る時が来たのです。重要なのは、傷ついた経験を素直に人々に話し、どういう過ちを侵しそれを認め、それを繰り返さないよう、どう行動を起こすかです。私達は今、地球や全ての生命を守るために、一人ひとりが戦士にならなければいけない時を迎えているのです。」

こんな記事を書いている最中に、先ほどルービンと電話する機会があり、この事を伝えていないのにも関わらず、機会があれば、ウォリアー・ダンス(戦士のダンス)を日本で踊りたいと思うと言って頂けました。

at 16:21, 先住民ホピ族(水氏族)ルービン・サウフキーのアナンダラバ, DIRECTOR'S NOTE

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