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太鼓(心臓)の鼓動の音は、今生きている証

突如決まりました、南山大学での特別講師としての講義を終えた後に、その日夜に控えていた、彫刻家の薬師寺一彦さんとのトークイベントのため、急いで名古屋市内に戻りました。


薬師寺一彦さんは、ルービンの大切な友人であり、ルービンが創作するシルバージュエリーのコレクターとして、ルービンの家族の生活の基盤を支えているスポンサー的存在でもあります。


以前に、ルービンが、南アメリカ大陸のペルーを訪れた時に、授けられたコンドルの羽を、動物との繋がりをとても大切にされていた薬師寺さんに託した事がありました。その羽に宿る力に、改めて触れ、私達一行が守られるようお祈りしたいという、ルービンの強い希望から、もともと名古屋で個展を予定されていた薬師寺さんと、トークショーを行う運びとなりました。


トークショーでは、私達人間と、イルカやクジラ、また熊などの動物との繋がりについて、精霊の考え方について、そして予言の岩のルービンの解釈についてなど、薬師寺さんとの対談形式で話しが進められました。


そして、最後にルービンから、自らのアルコール中毒だった体験談を通じて、自分自身に素直になった事で、何がもたらされたかということが話されました。


ルービンが物心ついた時から、両親はアルコール漬けの生活を送っていました。そして、その中で、育てられ、アルコールを飲むよう教育され、また本人もアルコール中毒に苦しむようになりました。愛する人ができ、子供にも恵まれましたが、アルコールに溺れた生活から抜け出すことはなかなか出来なかったそうです。


ルービンは、歌や踊りを披露する前に、毎回必ずこう告白します。


「今、あなた方が目の前にしている私は、以前いなかった私です。私は、妻のバーバラ、長女のロリース、そしてここにいる長男のジョーダンに対して、決して良い夫であり、父親ではありませんでした。実は、私は長い間アルコール中毒に苦しみ、自分の本当の気持ちを何かから隠し、家族にも苦しみを与え続けました。しかし、こうして今、アルコール中毒を克服し、私は素直に、長男のジョーダンの前で、皆さまへ、自身の体験を語る機会を頂いています。それは、ある日、自分が子供だった時に親に抱いていた感情を、ジョーダンやロリースの目の中に、見つける事ができたからです。アルコール中毒を克服することは、簡単なことではありませんでしたが、それ以上に、私は子供達に同じ想いをして欲しくないと強く願ったのです。そして、こんな私を、辛抱強く見守ってくれ、私達に小さな命をもたらしてくれた妻には、感謝しきれないほどの気持ちで一杯です。私は、今、三人の息子と三人の娘の父親であり、一人の孫娘のおじいちゃんであります。私は、これだけの命を授かり、子供達の良き未来のために、できるだけ良き夫として、父親として、そして一人の人間として、いられるようにしています。私は、アルコール中毒を克服できなかった、多くの友人を亡くしました。しかし、私は幸運にもまだ若く、ホピで先祖から守られてきた大切なメッセージを、皆さまに届ける体力と機会を与えられました。私は決して、世界中を旅できるほどお金は持っていませんが、世界中から、ホピの村に来てくださった皆様が、私達の家族のあり方に何かを感じ、今回の旅のように招待してくれるのです。それは、まず自分の心を開き、大切な人に対して、自分の生き方に素直になるという、たった一つの行いから、生まれ、導かれている偽りのない話なのです。」


そして、ホピドラムを叩き始め、時にはイーグルダンスを交えながら、長男のジョーダンとホピソングを披露をしてくれクライマックスを迎えます。


直前まで通訳しながら、感情移入してしまっているのか、恥ずかしい話しなのですが、大体感極まって、大粒の涙を流している自分がいました。父親の心開きのきっかけを与えた、息子のジョーダンが、ルービンの太鼓に合わせて、必死に踊り、一生懸命歌う姿に、とにかく心を奪われたように思います。


トークショーが終わった翌日に、薬師寺さんに、なぜあの場面で涙を流したのかという事を聞かれました。しかし、明確に答えることができませんでした。もしかすると、サウフキー家の家族愛に心を打たれたのかもしれませんし、聖なる儀式で目に見えないものが何か舞い降りてきていたのかもしれませんし、私達日本の人たちにために懸命に祈ってくれた事に感動したのかもしれませんし、未だに、はっきりと、その答えは見つかっていません。


ただ、その質問を薬師寺さんから受けた時に、ルービンが「太鼓の音は、心臓の鼓動を象徴していて、私達が生きているという証にもなります」と説明してくれました。そして、踊っていたジョーダンが続けてこう言ってくれました。


「涙を流していた時に、イーグルボーイは、あなたの鼓動をしっかりと受け止め、感じる事ができました」

at 21:19, 先住民ホピ族(水氏族)ルービン・サウフキーのアナンダラバ, ホピの生き方と日本の和を語る

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